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#移住 #インタビュー

“飛び込んでみる”ことで 私の知らない世界を広げる

島のカフェのパティシエ・バリスタ みいなさん

みいなさん

・埼玉県からの若手移住者
・島のカフェでパティシエ・バリスタとして勤務。
・趣味はお散歩

高校まで埼玉に住んでいたみいなさん。
最初は特に移住したいという気持ちはなかったと言う。素敵な笑顔と明るい性格をもちあわせる彼女が、急に瀬戸田に移住することになったことには何が影響しているのだろうか。
稀に見る10代移住者の代表として、瀬戸田の魅力やみいなさんの夢などをざっくばらんに聞いてみた。

最初に瀬戸田を知ったのは母がきっかけ
「母親がジャズのシンガーをしており、あるライブのコラボで柑橘農家さんと出会いました。その方が自然農法をしている柑橘農家さんで、そこから瀬戸田を認知するようになりました。当時はその農家さんから頂いた柑橘を活用してお菓子を作ってみたりしていました。それが本当に美味しくて、頭の片隅から離れませんでした。そもそもお菓子作りも母親から勧められて、小学生の頃からはじめました。序盤はバレンタインでチョコレートを作るような感覚で趣味としてやっていましたが、徐々に夢中になっていきました。高校からは専門学校に入学し、引き続き専門的にお菓子作りを学びました。

農家さんに自分の力で連絡とってみた。
高校卒業後には普通に就職しようと思っていました。ただ個人経営店に何件か応募したのですが、残念なことに納得する結果を得られませんでした。周りが順調に就職していたこともあって、焦りが本当に止まりませんでした。そのタイミングで瀬戸田を母親から勧められ、移住も良いのではと思い始めました。そして自ら瀬戸田の農家さんに直接連絡をとってみました。農家さんも快く引き受けてくださり、1週間ほど農業体験を実際にしました。農業体験と言いましたが、もうすでに働いている感じでしたけどね。ただ自分のこれまでの考えを大きく揺さぶったのは間違いありません。瀬戸田に住んで、瀬戸田で働きたい、と強く思うようになりました。

生産者の思いを知りたいからこそ、農家で働いてみる。
これまで食材を使って料理することはありましたが、それがどういう思いで作られているのかは気にしてなかったです。だからこそ食材の生みの親である農家さんと働き、実際に肌で体感することが面白いのではと思いました。実際にやってみると、仕事自体は地味な仕事が多かったけど、柑橘に愛を持って仕事している農家さんの姿に魅了されました。飲食店や現地の方々との関係性も知れて、仕事の仕方や考え方にも惹かれていました。原則は7時から働き出して、12時まで一気に仕事する。特に夏は日中が非常に暑いため休憩し、午後は3時ごろから日が落ちるまで働き続けました。生活習慣を合わせるのには本当に苦労しましたが、瀬戸田の方々が皆優しくて、素晴らしい環境に感激しました。

人に喜んでもらえる食事を自分で作ってみたい。
SOIL Setodaで働くようになったきっかけは、意外にも農家さんとSOILのマネージャーとの飲みの場なんですよ。SOIL Setodaにて3人で食事する機会があり、その時に農家さんがぼそっと「みいなには将来性もあるし、せっかく技術があるならそれを生かせる場所を活用してほしい」と呟いてくださって。そこからSOILのマネージャーに色々仲介していただいた結果、SOIL Setodaで働くことになりました。働き始めは週2日、3日ソイルで働き、残りは畑仕事をしていました。農家さんと働く時とは全く違った感覚で、仕事自体は忙しかったものの、とても楽しかったのを覚えています。農業だけしていると島の人と関わっている感じがしないのですが、SOILは瀬戸田のお客さんが多いから交流する機会が急増しました。

瀬戸田の夕焼けは私を癒してくれる。
ここで生活していて感じるのは、景色がとても綺麗なこと。海や山、自然、レモン畑全てが織りなす自然が素晴らしいんですよね。休憩時間には外で日光を浴び、海の香りを感じながら昼寝したりとかもしてます笑。本当に最高です。あとは瀬戸田だと割と話しかけてくれるおばあちゃんとかが多くて、些細な会話でも瀬戸田に住んでいてよかったなと思うことが多いです。逆に少し難しいと感じるのが、店が少ないことです。自分はお菓子作りをしているのですが、そのために必要な道具や材料とかは県外まで買いに行かないといけないです。休日も買い物するために近隣の福山や鞆の浦まで足を伸ばして、買い物することが多いです。そこはある程度考慮しないといけないかもしれないですね。

この島で何か還元できるかわからないけど、とりあえず全力で今を楽しむ。

移住というと、どうしても人生の一大イベントみたいな感じで大きいものとして考えられがちですよね。ただ気軽にきてみることが意外と大事なのかなと思っています。先のことをあまり考えすぎずに、気分転換くらいの感じで来てみたら意外と楽しいこともある。瀬戸田にお住まいの方々は皆さん優しい方ばかりですし、簡単に打ち解けることもできると思います。切実に若い人にはもっと瀬戸田にきてほしいですね。自分よりももっと拡散の仕方とか上手だし、色々な若い人が入ってくることで瀬戸田もより活性化すると思うんです。そう考えると、ワクワクが止まらないですね笑。

この記事をみている少年少女たちよ、私は瀬戸田で待っている!

インタビューを終えて

移住というと、人生の特大イベントであるかの如く、自分の生死を決める程度の重要事項だと思いこんでしまう。だから「行きたい」と豪語していても、実際に行動に移せなかったり止まってしまう。多くの人がそうだろう。ただ今回みいなさんのお話を聞いて、「飛び込んでみることで知らない世界が開けるのではないか」という考えが新たに芽生えた。言わずもがな、自分は罪人でもなければ、瀬戸田に敵対心があるわけでもない。純粋に瀬戸田が好きでこの街にきた。純粋な気持ちを持っているのであれば、きっと地元の方と仲良くなれるはず。もし生活に馴染めないことがあっても、瀬戸田の自然と夕焼けがあなたの味方になってくれる。一歩踏み出してみることが、きっとあなたの成長につながるだろう。

編集:吉田凌太